Ghost ではじめるスタートアップの技術ブログ
技術ブログを構築・公開するにあたり、みなさんはどのようのツールやサービス、プラットフォームを採用しているでしょうか。じつにさまざまな選択肢があるなか、Awarefy Developers では Ghost (Pro) を採用しました。今回はブログ・プラットフォーム Ghost を紹介します。
歴史はあるが モダンなブログプラットフォーム
Ghost は CMS を構築するためのソフトウェアおよびサービスです。Ghost のソースコードは GitHub で公開されており、誰でもセルフ・ホスティングで Ghost を使った Web サイトを公開できます。
Ghost は 公式がマネージド・サービスを提供しています。
最初のリリースノート によると、Ghost がリリースされたのは2013年のことで、じつに10年近くの歴史があります。しかしながら、Ghost はメジャー・バージョンアップを積み重ね、2023年時点のバージョンは v5.0 になりました。現在デフォルトで用意されているテーマもモダンで、管理画面のユーザー体験も心地よいものです。
技術ブログは、続けられることが(たぶん)大事
技術ブログにおいて最も課題となるのが「更新されなくなる(続かない)問題」ではないでしょうか。さまざまな企業の技術ブログの運用例や運用にまつわる話をきいて、そもそも始めるべきなのかどうか、とういことについても考えました。始めるからは続けたい。そこで「続けられる」ために必要な要素について考えました。
その要素には実にさまざまなものがあると思いますが、僕は 書き手自身がわくわくすること が一番重要なことではないかと考えました。
わくわくにも個人差がある(というか個人差しかない)と思いますが、最低でも以下の2点を満たすと良さそうです。
- 執筆環境にストレスがないこと
- 成果物が良い感じにできあがること
もちろん、好意的な反応が多く寄せられる、バズる、といったことも行動を強化するうえでは大切なことです。しかし読者からの反応はコントロールできませんから、考えすぎることで逆に続けられなくなってしまいそうです。
Ghost は、ITエンジニアが書き手となる技術ブログのユースケースを充分満たすと考えています。
- OSS である(ロックインされない)
- Markdown で書ける
- デフォルトのテーマが優れており、カスタマイズもできる
- コードの Syntax Highlight に対応できる(設定を行う必要はあり)
- Twitter や YouTube など外部サービスの埋め込みができる
- 独自ドメインを利用できる
など、必要な機能が標準で揃っています。複数人での執筆も可能です。エディタの使用感としては Medium のようでもあり Notion のようでもあります。Notion のよう、は少し言い過ぎですが。
コードもこのように表現できます。
void main() {
for (int i = 0; i < 5; i++) {
print('hello ${i + 1}');
}
}
技術ブログ用途では $25/mo のプランがおすすめ
Ghost のマネージド・サービスを利用するには有料プランへの加入が必要です。
Ghost(Pro) は、執筆したコンテンツを直接マネタイズに結びつけるケースを念頭に設計されているサービスのように感じます。ニュースレターや、サインアップした読者だけが見られる領域をつくることで、マネタイズやサロン化が可能です。
広く読まれて欲しいということが前提になる技術ブログの場合マネタイズ関係の機能は不要ですが、よりよい執筆体験のためには 月額 $25 の CREATOR プラン(年間プランの場合。月間プランの場合は月額 $31)以上を利用するとよいのではないかと思います。STARTER プランでは、テーマのカスタマイズが行えません。
プランごとに管理者ユーザー数の上限がことなりますが、執筆専用ユーザーについては、Contributors というロールで無料で増やすことができます。かなり制限のあるロールになるので、これでことたりるかはワークフローによりますが、小さく始めるには問題なさそうです。
その他 プランの違いは上記公式ページをご参照ください。
まとめ : Ghost は技術ブログをはじめて、続けるのによさそう
Ghost は、CMSツールのでありながらブログ・プラットフォームのような気軽さで記事を書き始められるサービスです。ごく個人的には、静的サイトジェネレーターを使うスタイルが好きだったのですが、複数のツールや複数のサービスを組み合わせなくてはなりませんし、カスタマイズのためにコードを書く必要もあります。記事を書くまでのハードルが低いというのは、はじめるにあたり大切なことではないかと思います。
Ghost はさわっていてわくわくするユーザー体験を提供してくれます。書いていて嬉しい、楽しいというは、記事の執筆活動を続けるうえで大切なことだと思っています。仕上がりについても、フォントの種類やハイライトのテーマをいじったり、自分たちのブランドに合わせられるのも良いですよね。
技術ブログをはじめることを決めたものの使うツールを決めあぐねている方がいましたら、Ghost は選択肢の1つとして、ぜひおすすめしたいです。
おまけ : 検討したツールやサービス、プラットフォーム
おわりに、技術ブログの執筆環境として検討したツールやサービス、プラットフォームを列挙します。これらが悪かったから選ばなかったのではなく、あくまで今回の僕たちのユースケースを満たすものが Ghost だった、ということはくれぐれも強調させていただきます。